レコードに浸りものづくりの現場を巡る【Feel Records体験ツアーレポート】

2025年4月に1周年を迎えたFeel Records 京都はなれ店のアニバーサリーを記念して、京都の老舗クラブMETROで開催した「METRO de Night?」。こちらのイベントにご来場いただいた方を対象に行った「Instagramキャンペーン」には、たくさんのご応募をいただきました。このキャンペーンでは、賞品として「Feel Records体験ツアー」をご用意しており、厳正な審査の結果、京都市にお住まいの吉田さんをお招きすることとなりました。

吉田さんは、オーディオ愛好家だったお父さまの影響でレコードを聴き始めてから、55年にもなるそうです。京町家を活かしたお店や施設にも興味をお持ちで、それらを巡ることを趣味とされています。

京都はなれ店は、築100年以上の京町家をリノベーションしたお店です。「レコード」と「京町家」がFeel Recordsを知るきっかけとなり、これまでに何度かご来店いただいています。

今回は、JICO本社に併設したFeel Recordsを初めて訪問いただき、一般のお客さまと同じように「レコードのリスニング」、「但馬地方の食材を使用したお食事」、「レコード針の工場見学」をお楽しみいただきました。

Feel Recordsが所在する浜坂(現・新温泉町)は、吉田さんにとって思い出深い場所とのことで、お母さまのお知り合いが住んでいたことから、高校生から大学生まで、夏になると海水浴を楽しみに訪れていたそうです。今回の体験ツアーで数十年ぶりに浜坂を訪れた吉田さんは、懐かしそうに町の様子を眺められていました。

ビートルズとの出会いから、現在もレコードを楽しむ吉田さん。今回の体験ツアーで最も楽しみにされていたのが、2つのオーディオシステムを備えたリスニングルームでのレコード鑑賞でした。

お好きなジャンルを伺うと、ロック、ジャズ、ソウル、ラテンなど、幅広く聴かれているようでした。絞りきれないほどの多彩なジャンルから、音楽への深い愛情が伝わってきました。

この日のために吉田さんが持参されたレコードは、相対性理論の「調べる相対性理論」と、David Sylvianの「Brilliant Trees」。相対性理論は意外なセレクトでしたが、ベースの吉田匡さんが息子さんだと伺い、びっくり。息子さんが音楽の道に進まれたのは、吉田さんの影響が大きいのかもしれません。

普段は、その音楽と向き合いたい時にレコードを聴くという吉田さんに、2つの異なるオーディオシステムでリスニングを体験してもらいました。それぞれの音質の違いを体感し、音楽の特性や個人の好みによって、オーディオとの相性も様々だと実感されたようで、「ずっと聴いていたかった」と話されていました。

リスニングルームでレコードに浸っていただいた後は、ファクトリーツアーへ。今なお職人の手仕事で一つひとつ作られるレコード針の製造工程をご覧いただきました。

ルーペを使わなければ見えないほど微細なパーツが、熟練の手作業で組み立てられていく様子に、吉田さんも思わず見入っていました。ものづくりの現場でしか体験できない職人の技や、細部へのこだわりに驚かれている様子でした。

体験ツアーの締めくくりには、但馬地方の旬食材を使った「懐石弁当」をご用意しました。地元の料理人が選りすぐった素材を活かした料理を、じっくりとお楽しみいただきました。この日はお一人での参加だったこともあり、「誰かと会話を楽しみながら食事をしたい」と話されていた吉田さん。次回は、奥様とのご来場をお待ちしています。

レコード針の製造に携わって、およそ60年の歴史を持つ私たちが、Feel Recordsという新たなチャレンジを始めてから、1年半以上が経ちました。この間、吉田さんをはじめ、レコードへの深い愛情を持つ多くのお客さまにご利用いただき、たくさんの笑顔に出会うことができました。

これからも、レコードを通じて生まれるご縁を大切にしながら、より一層満足いただけるサービスを目指していきたいと思います。レコードを愛する皆さまのご来場を、心よりお待ちしています。